九九の答えが36種類であることの証明
まず、九九に現れる式に使われる数字の組み合わせの数を数えます。
計算式を m * n
とすると mは1~9
、 nは1~9
です。
そうすると、 mとnが異なるときに使われる数字の組み合わせ は、1~9から2つの数字を選ぶ組み合わせなので
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となります。
また、 mとnが等しいときの組み合わせ は、11
、22
……9*9
となりますので
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となります。
①と②より、式に使われる数字の組み合わせの数 は
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となります。
ここから、 計算結果が重複するもの を取り除いて行きます。 計算結果が重複するものは、例えば
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のようなもののことです。
ここで、 1から9までの数字を素因数分解 してみましょう。
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このように、素数と合成数1が混ざっていることがわかります。
ここで、先程の式を見てみましょう
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この式を素因数分解すると、
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このように、全く同じ式になります。
九九の中にある 計算結果が重複するもの というのは、このように、 式に使っている数字の組が異なり、素因数分解した結果が等しい ものであると言えそうです。
ここで、 1から9までの数字を素因数分解 したものから、合成数だけを抜き出してみます。(9以下の合成数の一覧)
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少し変形して
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これらの式は、1の段の計算結果 と上記の計算式について、式に使っている数字の組が異なり、素因数分解した結果が等しい ことが明らかです。 よって、
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を、1の段と計算結果が重複する式の数 として数え上げることができます。
では、9より大きい数ではどうでしょうか。
式に使っている数字が異なり、素因数分解した結果が等しい という定義と、 9以下の合成数の一覧 からもう一度考えてみます。
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ここへ、1
と2
と3
を加えてみます。
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順番を少し変えます。
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上記の一覧の中にある数字から、 素因数分解した結果が等しくなるような組み合わせ を探せば良さそうです。
まず、計算して項が3つになる組み合わせは
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です。上記の内、計算結果が重複している式の組み合わせは
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です。次に、計算して項が4つになる組み合わせは
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です。上記の内、計算結果が重複している式の組み合わせは
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です。
ここまでに算出してきた ③④⑤⑥ についておさらいすると
- ③ → 式に使われる数字の組み合わせの数 = 45通り
- ④ → 1の段と計算結果が重複する式の数 = 4通り
- ⑤ → 9より大きい数で、計算結果が重複する式の数(項が3つ) = 2通り
- ⑥ → 9より大きい数で、計算結果が重複する式の数(項が4つ) = 3通り
です。これらの数を使うと、以下のように式に使われる数字の組み合わせの数から計算結果が重複する式の数を取り除いた組み合わせは
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となります。
したがって、九九の答えとなる計算結果の数字は36種類であると言えます。
※もっとスマートな証明を誰か……
おまけ
ここまでの思考の流れ